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モリノさんの独り言

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 うちの馬鹿がこんな事を言いました(スザク談)

幼な妻って良いと思わないか?

この国の皇帝は執務開始一時間後にこんな阿呆な事を言い出した

「・・・・・」

スザクはニッコリと笑いつつ立ち上がると、先程まで自分が使っていた机を持ち上げた

「死ね!」
「まままままて!!話せば解る!」

問答無用!
スザクはルルーシュに向かって机を放り投げた







「幼な妻・・・ですか?まぁ・・・気持ちは解らなくな・・・待て待てスザク。椅子を持ち上げるな」

スザクに足蹴にされるルルーシュというあまり見たくない光景を見てしまったジノはスザクを落ち着かせて事情を聞いていた
なんでもルルーシュがいきなり「幼な妻って良いと思わないか?」と言ったらしい

「それにしても陛下。側室でも娶る気ですか?」
「誰が!私はスザク一筋だ!」
「はん!どうだか!」

すっかり拗ねてしまったスザクは頬を膨らませてルルーシュをにらみ付けた

「お前も男なんだから解るだろう?幼な妻は男のロマンなんだよ!」
「わかりませーん」
「確かに・・・夢ですね」
「だろう?」「ジ~ノぉ?」
「・・・私の存在は無視してください・・・」


~中略~


「スザク、幼な妻になる気はないか?」
「は?」
「10歳のお前と二十歳の私。歳の差10歳だ」


イイ!実にイイ!!
ルルーシュは「ハハハハハハ!」と笑っていた
スザクとジノはそんな皇帝陛下の姿を見ながら大きなため息をはいた


「僕、日本に帰ろうかな・・・」
「私も一緒に連れて行ってくれると助かるよ」


二人は求人情報誌に目を通しながらもう一度ため息をはいたのだった




出会った時の君は泣いていた







「それにしても、君も大胆だよねぇ」


ロイドは東京の街を歩きながら隣の男に話しかけた
話しかけられた黒髪の男はククッと笑っただけで何も答えなかった


この国、日本は今ある大国の脅威に晒されていた
その国の名は神聖ブリタニア帝国
次々と周囲の小国を吸収し大きくなったその国の、次の獲物はこの日本という噂が流れていた


「緊張状態のこの国に、その原因であるブリタニア皇帝が騎士一人連れずに歩いてるんだから」
「ジノのような目立つ男を連れてたらまともに歩けないだろう」
「だからって・・・ねぇ」


黒髪の男はルルーシュ・ヴィ・ブリタニア
全世界から恐れられるブリタニア帝国の皇帝だ
その彼が護衛一人連れずに歩く。常識では考えられない事だ


「僕じゃ弾除けにもならないよぉ?」
「お前にそんな事を期待してる私だと思うか?」


そのルルーシュの隣を歩くのはロイド・アスプルンド
ブリタニアの兵器開発部門の総責任者だ
ロイドはルルーシュの言葉に「それもそうだねぇ」と頷いて、主に付いて道を進んだ




「それでどうするの?」


何を?とは口にしない
言わなくともルルーシュには伝わる
ロイドが言いたいのはこの国をどうするのか
侵略するのか
そのままにしておくのか

ロイドの質問にルルーシュは「さぁな」と答えた


「さぁなって、まだ決めてなかったんだ」
「この国にはお前のお望みのサクラダイトが豊富にある。手に入れて損はしない。だが・・・」


この国は本国から遠い
遠ければ遠いほど皇帝の目は届かなくなる
そうなると支配した国に任命している総督が好き勝手し放題になり、政治が乱れる
それはルルーシュの好む所ではなかった


「別に手に入れなくても・・・・?」
「?どうしたの?」


ルルーシュは会話を途中で切ると首を傾げながら近くの公園へと入っていった




「どうしたの?何か気になることでも?」
「静かに」


ルルーシュはロイドを黙らせると耳を澄ましながら公園の奥へと入っていく
そして一本の木の下までたどり着いた


「・・・何をしているんだ?」


ルルーシュは木を見上げて微笑んだ
ロイドもそれに習って上を見上げると、そこには小さな女の子が木にしがみついていた


「・・・ひっく・・・ひっく・・・」
「泣いてちゃ解らないよ。もしかして降りられなくなったのか?」


ルルーシュのその言葉に女の子は顔を自分に話しかけてくる人物に向けた


「・・・」


女の子はコクリと頷いた
ルルーシュはクスリと笑うと両手を広げる


「おいで」
「・・・え?」
「受け止めてあげる。だからおいで」


ルルーシュの言葉に女の子は驚いた
どうしようと視線を彷徨わせた後、一緒にいたロイドを見つめた


「・・・だって。お言葉に甘えて飛び降りちゃいなよぉ」


ロイドはニコリと笑うと飛び降りるように勧めた
それでもまだ迷っている女の子にルルーシュは優しく微笑む


「おいで、私の所に」
「・・・・」


その微笑に惹かれるように彼女はルルーシュに向かって飛び降りた







どうして木の上にいたのか
ルルーシュがそれを問うと「子猫を助ける為」と女の子は答えた


「子猫が降りられなくなってたの。だから助けてあげようとしたの」
「でも子猫なんていなかったじゃない?」
「・・・子猫はひとりで降りていったの」


どうやら野良猫らしいその子猫は、人間である彼女に非常に驚いたらしく、木に登った彼女を置いてさっさと飛び降りて逃げていったのだという


「・・・・」
「あらまぁ、それはお気の毒に」


その光景を想像した二人は思わず笑う
女の子はそれに気がつかずに話を続けた


「僕、降りられなくなっちゃって誰も来ないしどうしようかと思ってたの」
「それで泣いていたのか」
「・・・うん」


怖かったな、とルルーシュは女の子の頭を撫でる
女の子は擽ったそうに顔を綻ばせると「ありがとう」と礼を言った






女の子を自宅前まで送り届けるとルルーシュとロイドは宿泊するホテルへと向かった
そしてロイドを連れて自分の部屋に入るとルルーシュはブリタニアへと連絡を取った


「ああ、そうだ。いつでも行動できるように準備していろ」


電話の相手はジノ・ヴァインベルグ
帝国最強の騎士にして軍事の最高責任者だ
ルルーシュはその彼に準備をしろと告げた
つまりそれは・・・


「決めたんだ。この国の事」


ロイドの言葉にルルーシュは不敵に笑った


「ああ。私はこの国を手に入れる。そして・・・」





この出会いの半年後、神聖ブリタニア帝国は突如日本に宣戦布告した
そして僅か一ヶ月で日本を占領した皇帝ルルーシュは、日本の宰相の娘を自分の国へと連れ帰ることとなる



****

「なんてネタはどうだ?」
「馬鹿馬鹿しい!」


スザクはルルーシュの頭をピコハンで一発殴った


「どうして?萌えないか?」
「萌えないね。っていうか、どうして僕が女の子なのさ?しかも木から降りられない?ルルーシュじゃあるまいし、僕はそこまで鈍臭くないよ」
「悪かったな!それにしてもこの萌がお前に解らんとは・・・」
「解りたくないね」
「男なら一度は夢見るものだ『幼な妻』!!」
「・・・勝手にしてて」

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